2025年の大阪・関西万博の運営主体「日本国際博覧会協会」は4日、昨年末に公表した基本計画について、企業・団体向けの説明会を初めて開いた。企業の参加を促す目的だが、コロナ禍で経営悪化に苦しむ財界や企業から冷ややかな声も上がった。

説明会ではパビリオンの出展や協会が設けるテーマ館への協賛といった企業の参加方法が紹介され、年内に募集を始めることが明らかにされた。当初より1・5倍に増えて最大1850億円に膨らんだ会場建設費にも言及。森清・副事務総長は「来場者の快適性、安全性、利便性などの観点から必要な見直しを行った」と説明し、「万博をビジネスに活用していただきたい」と呼びかけた。

 しかし、コロナ禍で経営悪化に苦しむ財界や企業の視線は慎重だ。会場建設費の上ぶれによって、経済界の負担は増え、万博の各プロデューサーが手がける「テーマ事業」への協賛金も求められる。

 京都商工会議所の塚本能交会頭(ワコールホールディングス会長)は2月末の記者会見で「京都企業全体でみると、『今が大変なんや』というところがほとんど。万博に前向きなところはまだまだ少ないのではないか」と話す。

 パビリオンの出展についても、コロナ禍が影を落とす。在阪の大手鉄道会社はコロナ禍で鉄道利用の減少やホテル、旅行業の不振に直面する。「とても万博に力を振り向ける余裕はない。数年後、経営が落ち着いてきたら検討したい」(幹部)と慎重姿勢だ。
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