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福岡県篠栗町で昨年4月、5歳の男児を餓死させたとして保護責任者遺棄致死容疑で
母親と知人の女が逮捕された事件で、男児が救急搬送された際、知人の女が母親に対し、
病院内で「警察にボスのことは言うな」などと口止めをした疑いがあることが、関係者への取材で分かった。
県警は、男児の死をきっかけに、架空の話を用いた母親への金銭要求が発覚することを女が恐れ、
隠蔽(いんぺい)しようとしたとみている。

逮捕されたのは、母親の碇(いかり)利恵容疑者(39)と知人の赤堀恵美子容疑者(48)。
赤堀容疑者は、事件と無関係の女性を「ボス」と呼び、碇容疑者に「旦那さんが浮気している。
ボスが調査費を立て替えてくれている」などとうそを言い、現金を繰り返しだまし取ったとされる。

関係者によると、三男の翔士郎ちゃんは昨年4月18日、自宅で意識を失った。
碇容疑者から連絡を受け訪問した赤堀容疑者らが119番し、福岡市の病院に搬送された。
碇容疑者は病院で医師に「助けてください」と懇願。待合室に入ると、同行していた赤堀容疑者が
「ボスのこと、浮気のことは警察に言うな」と指示したという。翔士郎ちゃんは意識が戻らないまま、死亡が確認された。

当時の赤堀容疑者の言動について、碇容疑者は「自分はそれどころじゃないのに、こんなことを言うんだと思った」
と関係者に話しているという。

赤堀容疑者は別の日には、生活困窮の理由を「パチンコで使った」と説明するよう求め、
2人がやりとりしたスマートフォンを壊すよう指示。碇容疑者は実際に破壊した。

県警によると、赤堀容疑者は容疑を否認しているという。


逮捕された母親が子ども3人と暮らしていたマンションの一室=福岡県篠栗町
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