https://news.yahoo.co.jp/articles/b68a343ac29386db3505f25abe90faa15e538203

「レジ袋」の有料化が昨年7月に義務付けられてから半年以上が経過しましたが、衣料品店などでは
「紙袋」も有料化するケースが増えています。紙袋は有料化が義務付けられていないため、
ネット上では「便乗値上げでは?」「無料で提供してほしい」といった声が上がっていますが、
一方で、紙袋はビニール袋に比べてコストがかかるといわれており、店側にとって、無料提供を続けるかどうかは難しい選択です。

紙袋の有料化は“便乗値上げ”なのでしょうか。それとも、やむを得ないことなのでしょうか。
紙袋の有料化に関するアンケートの結果を分析するとともに、経営コンサルタントの見解を聞きました。

有料化に「反対」が「賛成」上回る
 
アンケートは2月10〜17日、全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行い、1805人から有効回答を得ました。
まず、「紙袋の有料化に賛成ですか、反対ですか」という問いには(1)反対41.5%(2)賛成34.2%(3)どちらともいえない24.3%と
「反対」が「賛成」を7ポイントほど上回りました。

自由記述欄では、有料化に反対する理由として、「紙袋まで有料にするのはやり過ぎ」
「環境保護という理由を付けてお金を取りたいという企業の思惑が感じられる」などの意見が寄せられました。
一方、賛成派からは「ごみを減らすのに効果的」「環境意識が高まった」「可能な限り資源を節約すべきだと思う」などの声がありました。

次に「便乗値上げ」についてです。紙袋の有料化が「レジ袋に合わせた便乗値上げ」だと思うかどうかを聞くと、
「便乗値上げだと思う」が45.6%で、「便乗値上げだとは思わない」32.3%を10ポイント以上上回りました。
「どちらともいえない」は22.1%でした。

便乗値上げだと思う人はその理由を、「有料化する理由を明示しているショップがほとんど見当たらない」
「紙袋はプラスチックごみではない」などと回答。有料化に理解を示す人は「紙袋もただではないのだから負担は当然」
「紙袋も環境問題や資源問題とは無縁ではないので便乗とは思わない」「今までのサービスが過剰」と答えました。

「紙袋が有料の店を利用する際、あなたがよくする行動を教えてください」とも聞いたところ、「マイバッグを使う」人が76.3%と最多で、
「袋を使わず商品を持ち帰る」12.9%、「紙袋をもらう」10.7%と続きました。紙袋が有料の店という条件付きとはいえ、
マイバッグの定着ぶりを示す結果といえそうです。

有料化は「企業の社会的責任」
 
アンケート結果を踏まえて、紙袋の有料化が消費者や店舗に与える影響について、経営コンサルタントの大庭真一郎さんに聞きました。

Q.紙袋の有料化について、「便乗値上げ」と指摘する声があります。そもそも、どのような行為が便乗値上げに該当するのでしょうか。

大庭さん「便乗値上げとは、やむを得ない理由に便乗する形で、必要性のない値上げやコストの上昇分よりも多い値上げを行うことをいいます。
例えば、消費税が8%から10%に変わったとき、『消費税が上がった2%分よりも多く値上げした』などの対応です。

便乗値上げで、店舗は多くの利益を得られる可能性がありますが、それ以上に『顧客の流出』『企業(店舗)イメージ低下』という
大きなデメリットが生じます。顧客に対し説明のつかない値上げを行うことで、顧客が不信感を抱いた結果、
便乗値上げを行わない競合店などに流出し、便乗値上げを行った店舗の収益は減少します。
さらに、顧客をないがしろにした店舗というイメージが定着し、事業存続の危機に立たされる可能性もあるでしょう」

Q.紙袋の有料化について、アンケートでは「便乗値上げだと思う」人が「便乗値上げだとは思わない」人を上回りました。やはり、紙袋の有料化は「便乗値上げ」に該当する行為なのでしょうか。

大庭さん「アンケート結果から、紙袋の有料化を便乗値上げだと感じている人が数多く存在することが分かりました。
しかし、私は次の2つの観点から、『便乗値上げだ』と言い切ることはできないのではないかと思います。

※以下、全文はソースで。