福井県あわら市の小林化工が製造した爪水虫などの治療に用いる錠剤に睡眠導入剤成分が混入した問題で、同社は3月8日、服用した人のうち車を運転して事故に遭った人が38人になったと発表した。2月15日時点から16人の増加で、けが人はいないという。同社によると、健康被害を訴えている人への聞き取りの中で、自宅駐車場内など公道以外での自損事故が新たに判明した。

 同社によると、同錠剤の服用により意識消失や記憶喪失、ふらつきなど健康被害の報告は2人増の245人。救急搬送や入院は41人で変わりない。

 同社は長年にわたり、国の承認書と異なる工程の実施や虚偽の製造記録作成、品質試験の一部未実施などの法令違反を繰り返していた。福井県は2月9日、同社に対し116日間の業務停止命令を出した。

福井新聞 2021年3月9日 午後5時10分
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