橋本愛喜 | フリーライター
3/9(火) 8:10

これまでにも折に触れてトラックドライバーの「路上駐車問題」は取り上げてきたが、その度に世間からは「言い訳するな」「路駐を擁護するのか」という声が多く届く。
道路脇やゼブラゾーンなどに駐車しているトラックに、乗用車やバイクが追突する事故が相次ぐ昨今。そのニュースを目にするたび、底知れぬ憤りを感じる。
その矛先は、路上駐車していたトラックドライバーではない。トラックが路上駐車せねばならない現状を一向に変えようとしない国や荷主に対してだ。



「ウチの前で路駐なんてしないでよ」

誰もが一度は大きなトラックが路上駐車している光景を目にしたことがあるだろう。
まだ薄暗い明け方や、ラッシュが始まる早朝に長い列をなして停まっていることも多く、中にはハンドルに足を上げて居眠りしているドライバーまでいるため、その存在はより一層疎ましく感じるかもしれない。
長時間こうして路駐をしている多くが、BtoB輸送を担うトラックだ。
エンドユーザーが日常生活で接する機会のあるトラックといえば、宅配便などのBtoC輸送業者が主だが、スーパーの商品や、製造・建設資材の運搬などを担うのは、こうしたBtoB輸送のトラックで、規模で言えばむしろ彼らのほうが宅配便よりも我々の生活インフラを下支えしている存在だといえる。
筆者もかつてトラックに金型を載せ、全国各地を走っていた1人だ。
朝イチに来るように言われたある得意先工場の前の田舎道で仮眠を取りながらスタンバイしていると、突然ドアをコンコンと叩く音で飛び起きる。
エンジンの揺れや騒音では全く起きないのに、あのたった2回のノック音で瞬時に飛び起きるのは、「路駐している」という罪悪感があるからだ。
ノックしてきたのは、工場に出勤してきた作業員だった。
「ねえ、○○(筆者の工場)さんのとこの運転手さんでしょ。ウチの前で路駐なんてしないでよ」
ひと睨みした後、「おはよう」も「すみません」も言わさぬ間に去っていく後ろ姿に、筆者が抱いた感情は、正直なところ「申し訳なさ」ではなく、やはり「憤り」だった。




トラックドライバーの事情
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotoaiki/20210309-00226455/