新型コロナの感染爆発と死者の増加は歯止めがかからず、10日は24時間の死者が2286人に達して新記録を更新した。

この数字はこの日の世界一で、国際紙は「原爆級」などの言葉で懸念を表明。
国外の専門家はブラジルで死者が減り始めるのは5〜6週間先とし、保健省も1日3千人の死者が出る可能性を口にしていると
5〜10日付現地紙、サイトが報じた。

世界では感染者や死者が減少傾向にあるが、ブラジルは9日現在の感染者が1112万2429人、死者は26万8370人となり、
7日間の感染者47万5503人(6万7929人/日)と、死者1万1009人(1573人/日)の双方で新記録を更新中だ。

1日の死者が米国を上回る状態は5日間続いている。

ブラジルの感染者増加は、連邦政府と地方自治体の足並みの乱れと変異株の出現、予防接種の遅れが主な原因だ。
米国はこれら3点を理由に、伯国が世界的な脅威となるとの見解を表明していたが、9日に1日の死者が1972人に達したとの報道は、
世界中に衝撃を与え「原爆級」などの表現まで飛び出した。

感染爆発は2月後半からより顕著になり、州や市による規制強化が増えたが、オックスフォード大学の研究者は、
ブラジルで感染者や入院患者が減り始めるのは厳格な規制下でも3〜4週間先、死者が減り始めるのは5〜6週間先と見ている。

保健省関係者は、社会隔離率が下がらないままで変異株による感染急増や医療崩壊、
ワクチン不足などが起これば、1日の死者が3千人を超える可能性ありと見ている。

ブラジルのワクチン入手状況は予断を許さず、保健省が8日、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)の機械の不調で、
オックスフォード・ワクチンの3月の供給量が1690万回分から380万回分に減ると発表。パズエロ保健相は9日、
予防接種国際連盟Gaviに、世界保健機関(WHO)のワクチン供給計画であるCovaxファシリティでのブラジル向けの供給加速化を申し入れた。

また、アルトゥール・リマ下院議長も同日、在ブラジル中国大使とのビデオ会議で、ワクチンと有効成分の供給支援を依頼した。
https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/210311-12brasil.html