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クロスオーバーEVを購入したウェン・チャンチンさん
Source: Weng Changqing

中国EVメーカーが低価格で市場開拓、テスラと差別化−46万円台も
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-11/QPS1U4T0G1KW01

中国の工場で働くウェン・チャンチンさんは運転免許の取得前から電気自動車(EV)が欲しかったことを覚えている。中国東部の小さな町に暮らし、第1子誕生を心待ちにしていたウェンさんはガソリン代や維持費を節約できるなら自家用車を購入できると考えた。

  ただ、ウェンさん(37)には中国での価格が約3万8000ドル(約410万円)からに設定されている米テスラの「モデル3」は手が届かず、地場EVメーカーの合衆汽車が販売する6万6900元(約110万円)のクロスオーバーEVを購入した。

  低価格で信頼できるEVは自家用車の普及を促す潜在力を秘め、車を購入する余裕がこれまでなかった人々の移動範囲も広がる。ブルームバーグNEF(BNEF)のアナリスト、シイ・ミ氏は「こうした廉価版EVは中国で新たな顧客を開拓しつつあり、値下がりに伴い他の市場にも広がるだろう」と話す。

  BNEFによれば、EV価格はこのままいくと今後4−6年で化石燃料を動力とする自動車と肩を並べる見通しで、この時点で年間販売は飛躍的に伸び、現在の年200万台程度から2030年には2500万台に達する見込みだ。

  ワシントンのアメリカン大学で教鞭(きょうべん)を執り、自動車コンサルティング会社の創業パートナーも務めるセリカ・タルボット氏は、こうしたシフトは公共交通機関へのアクセスが限られる都心の郊外や農村部に住む人々を中心に、大規模な社会的影響をもたらす可能性があると指摘する。

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