ゲンダイ
12日の政府与党連絡会議で菅首相は、首脳会談のテーマとして新型コロナウイルスや地球温暖化、中国をめぐる諸課題、北朝鮮の日本人拉致問題に言及し、「日米間の連携と協力を確認したい」と決意表明。茂木外相は「日米同盟強化へのバイデン政権の強いコミットメントを示すものだ」と持ち上げたが、うのみにはできない。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。

「新型コロナ対策に注力しているバイデン大統領が直接会談を持ち掛けたとは考えにくい。通常のトップ会談は事務方による実務協議を積み上げた上で実施されますが、そうした動きは見られません。政権浮揚につながるセレモニー外交を重視する日本がホワイトハウスに最初に押し掛け、米国は“参勤交代”を受け入れる。そうした構図が透けて見えます」


 さらに気になるのが、訪問団の規模とワクチン接種だ。加藤官房長官は菅首相を含む政府代表団を必要最小限の80〜90人に絞り、全員がワクチンを2回接種すると説明。国際的な争奪戦に敗れ、ただでさえ接種スケジュールは朝令暮改で押せ押せなのに、ドサクサ紛れの割り込みさながら。上級国民枠なのか。代表団は一体どんな陣容なのか。

「今の段階では対応できず、お答えできません」(外務省北米第1課)

 本当に必要最小限といえるのか。

「団の規模は十分に大きいと言えます。基本的には外務、経産、防衛の各大臣らが同行し、それに伴って局長や課長クラスも随行する。もっとも、首相へのブリーフィングに必要な人員は数人程度に過ぎない。そうでなくても、この現状で大人数で訪米する意味があるのか。有意義な議論ができるかは疑問です」(孫崎享氏)

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