緊急事態宣言解除で首都圏知事の意見割れる 神奈川は解除前向き、埼玉と千葉は慎重

 1都3県で21日に期限を迎える新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言について、神奈川県の黒岩祐治知事は15日、県庁で記者団に「解除の方向がいい」と述べた。一方、埼玉県の大野元裕知事は「現時点で解除要請を行う段階にない」、千葉県の森田健作知事も「重症者を減らし病床を確保しなければいけない」と慎重姿勢を示し、意見が割れた。
 黒岩知事は神奈川県内の新規感染者数が減少傾向にあることや、病床使用率が改善していることなどから「総合的に神奈川県は解除の条件を満たしている」と説明。「街の雰囲気や皆さんの感情を考えても、(さらなる)延長は我慢できないのではないか。宣言の効果が薄れている」と語った。近く4都県で協議するとし「解除の方向で話し合いたい」と期待した。
 これに対し、大野知事は「新規陽性者数がリバウンド(再拡大)の兆候を示している」と指摘。さらに延長を要請する可能性について「当然あり得る」とした。森田知事も「解除といえる状況にしたいが、リバウンドが心配」と述べた。両知事とも県内での変異株感染者の増加も懸念した。
 東京都の小池百合子知事は15日夕、都内の状況を「重症者は(国のステージ2を)クリアしても、療養者数が増えるなどの動きになっている」と説明。引き続き感染防止の徹底を呼び掛け、宣言解除の是非には言及しなかった。

東京新聞 2021年03月15日 20時44分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/91707