津市白山町の野村英光さん(66)が、食事の時などに取っ手を持って口元を覆い、マウスガードのように使えるマスクケース「マスクッチ」を開発した。
本業は損害保険会社のアドバイザーと畑違いだが、「客が減り大変な飲食業をなんとか助けられないか」との思いで自作した。大量生産にめどが付き、十五日から販売している。

野村さんは岐阜市出身。全国を転勤で飛び回っていたが、七年前、仕事やゴルフで訪れたことのある津市の環境の良さを理由に東京から移住した。
昨年秋、食べる際以外はマスクを着ける「マスク会食」という言葉を知った。

「普通のマスクでは難しい。マスクケースに取っ手を付けたら、持って口元を覆えて便利なのではないか」。
こう思い付き、クリアファイルをカッターナイフで切ってテープで付け、試作品を作った。

感染対策を取った上で開いた会食の席で試作品を見せたところ、「ぺらぺらで使えない」
「マスクが入れにくくて、マスクケースにも使えない」と評判は散々。

ただ、徐々に改良を加えると同僚から「特許を取った方がいいのでは」と言われるまでになった。
https://www.chunichi.co.jp/article/219761

「マスクッチ」を持つ開発者の野村さん=津市白山町で
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