国立医薬品食品衛生研究所(国立衛研)が、PCR検査などの新型コロナウイルス検査薬を比較したところ、
ウイルスの遺伝物質が少ない場合は、検出できる性能にばらつきがあることがわかった。

中には遺伝物質が含まれない水でも「陽性」と出やすい製品も見つかった。

検査薬はコロナの流行に対応するため急いで開発された。そのため国立衛研は保険適用されて広く使われている製品でも、
性能の評価に使われた検体が同じではないと考え、比較することにした。

2020年3〜5月に使用許可が出た9製品を調べた。
新型コロナウイルスの遺伝物質の濃度を変えた6種類の液をそれぞれ12回試し、陽性になるかどうかを調べた。

すると、国立感染症研究所(感染研)の検出マニュアルに記された濃度では、全ての検査薬で12回とも陽性と判定できた。
それより濃度が低い場合、毎回検出できる検査薬も、全く検出できない検査薬もあった。

結果は国立衛研のサイトで公開(https://www.nihs.go.jp/mtgt/covid-19info.html別ウインドウで開きます)した。

ある企業の検査薬は、遺伝物質が含まれない水でも12回中4回が「陽性」と判定され、「偽陽性」が起きやすかった。
同社が検証したところ、検査薬を入れる「プレート」と、検査装置の組み合わせによって、偽陽性になりやすいことがわかった。

別の特定の組み合わせでは偽陽性が一例も生じないこともわかった。
https://www.asahi.com/articles/ASP3K52T0P33PLBJ002.html