福岡県篠栗町で5歳の男児が餓死した事件で、死亡した碇(いかり)翔士郎ちゃんの祖母が23日、弁護士を通じてコメントを出した。祖母は翔士郎ちゃんが死亡する前月から、福岡県福岡児童相談所に安否確認を求め「うちで引き取りたい」と伝えたと説明。「保護してほしかった。児相を頼らずに、玄関ドアを蹴破ってでも救いに行けばよかった」と無念さをつづった。

 祖母は、碇利恵被告の実母。赤堀恵美子被告から不信感を植え付けられ、碇被告は親族との関係を絶っていたとされる。祖母によると、昨年3月、碇被告宅の明かりが夜も消えたままの日が続き、異変を感じて同12日に児相を訪れた。「翔は食べないと死んでしまう」と訴え、様子を確認して連絡するよう依頼した。

 しかし、児相から連絡はなく、電話してもプライバシーを理由に説明してくれなかったという。同31日、児相を再度訪問。「元気かだけでも教えて」「どうか孫は生かしてください」と求めたが、「ちゃんと見守りをしていきます」と回答された。翔士郎ちゃんは、それから約20日後に亡くなった。

 祖母は「おなかいっぱい食べさせてあげたかった。大きくなるのをずっと見守っていたかった」と心境を吐露した。

(古川大二、長松院ゆりか)

西日本新聞

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