※NHK

「ナボナはお菓子のホームラン王です」
昭和40年代から平成のはじめにかけて、王貞治さんが出演したCMで知られる「亀屋万年堂」。ことし1月、この老舗和菓子店が買収されたというニュースを聞いて驚かれた方も多いのではないでしょうか。
買収したのは、甲府市に本社がある菓子メーカー「シャトレーゼホールディングス」。テレビCMなどを行わないことから、「よく知らない」という声を耳にしますが、コロナ禍でも全国に店舗を増やしている会社です。その原動力はどこにあるのでしょうか。
(甲府放送局記者 青柳健吾)

■コロナ禍に“躍進”

シャトレーゼが扱っているのは、ケーキやシュークリームなどの洋菓子、アイスクリーム、それに、どら焼きといった和菓子まで約400種類。日頃、おやつの時間に食べるようなお菓子を自社の店舗で販売しています。

コロナ禍でも業績は右肩上がりで、2020年度の売り上げは780億円(単体)と前の年度より20%以上増える見通しです。この1年で新たに52店をオープンし、国内外の店舗は約660まで拡大しました。

シャトレーゼは、もともと、昭和29年に甲府市で開業した小さな菓子店でした。それを齊藤寛会長(87)が、一代で全国的な企業に成長させました。その経営哲学は創業以来一貫しています。

齊藤会長
「儲けようと思うと儲からないんです。儲けようと思わないでお客さまが喜ぶことをしてシャトレーゼのファンを作れたら儲かるんです。いかに“強烈なファン”を作るかがわれわれの仕事なんです」。

■価格破壊でファン獲得

創業以来こだわっているのは、「圧倒的な安さ」です。
いちごの乗ったショートケーキは300円。
バニラとチョコのアイスクリームは1本60円です。

齊藤会長
「世界でみても日本の物価は高いなと思った。とにかく子どもたちに食べさせてあげようと思うと、洋菓子やアイスクリームは手が届かない。それを手が届くようにしてあげようという発想なんです。われわれは、もともと50円のシュークリームを10円で売る、アイスクリームにしてもスーパーに卸す値段で売る、というような“価格破壊”から入りました」

“価格破壊”を可能にしたのは、会社が「ファームファクトリー」と呼ぶ、独自のサプライチェーンです。
卵や牛乳、果物などお菓子に必要な原材料を、地元の山梨の契約農家などから直接仕入れ、その農場から近い自社工場で、お菓子作りを行います。そして、問屋や卸業者、小売業者を介さず、全国のお店にダイレクトに配送するという仕組みです。

齊藤会長
「私はもともと農家ですから農家の気持ちはよくわかる。問屋を通さないで農家と直接やることができる。売るときは、コンビニとかスーパーを通さないで、直接われわれのお店で売る。基本的に中間業者を通さないので、いい材料が安く仕入れられるし、おいしいものをリーズナブルに出すことができている」

以下ソース先で

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210323/K10012928391_2103231452_2103231842_01_06.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210323/K10012928391_2103231444_2103231818_01_07.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210323/K10012928391_2103231451_2103231839_01_07.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210323/K10012928391_2103231448_2103231818_01_11.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210323/K10012928391_2103231749_2103231818_01_15.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210323/K10012928391_2103231614_2103231818_01_16.jpg

2021年3月23日 19時43分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210323/k10012928391000.html?utm_int=all_side_business-ranking_003