山形県の酒田市立東部中は2021年度から、スカートとスラックスのどちらでも男女問わず自由に選択ができる制服を導入する。
個性や多様性を尊重する、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の一つのジェンダー平等などの視点を養い、自主性を育むのが狙い。
舟山邦彦校長は「違いを受け入れるという多様性への理解は、いじめをなくす社会を作っていくことにもつながる」と期待する。
ジェンダーフリーなど多様性理解

 詰め襟の学ランだった男子の制服は、上着が女子と同様のブレザー型になり、濃いグレーに水色とピンクの格子柄のスラックスや、3種類のネクタイも加わった。
ブレザーとスラックスは男女兼用で、シルエットが違う2種類のタイプをそろえた。21年度に入学する1年生73人のほか、
希望すれば在校生も着用は自由だ。

 これまで、スカートについては、生徒や保護者らから「冬もスカートは寒い」などの声が寄せられていた。
小学生の女子の大部分がスカートではなくズボンを着用している現状をふまえ、1年前から校内で刷新に向けた検討を重ねた。

 同校の3年生が、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の前会長の女性蔑視発言について取り上げながら、
学習成果の発表会を行うなど、SDGsを積極的に学ぶ。ジェンダーフリーなど多様性への理解を目指す同校の教育活動の実現と、
制服の機能性の改善に効果が見込めることから決めた。

 赤塚枝美教頭は「TPOなど社会に出た時に必要なルールを、生徒が自ら判断して行動するという自主性を養うきっかけにもなっている」と話す。

 庄内地方の学校制服を扱う、酒田市こがね町のファッションワールドニシムラの神保誠一副店長は「リボンを含めて4種類のタイをそろえるなど、
多様な着方が選べるのは珍しい」と話し、保護者にも好評だという。
https://mainichi.jp/articles/20210324/k00/00m/100/032000c