愛知県の大村知事へのリコール運動を巡って署名が偽造された事件で、捜査はリコール団体の「本丸」への家宅捜索で次のステップへ進んだようです。

 リコール団体は会長として高須克弥院長、事務局長に田中孝博元愛知県議、副事務局長に警察からすでに任意で事情聴取されている山田豪常滑市議らがいました。そして、河村名古屋市長は支援する立場でした。

 これまでの取材で、運動を主導したリコール団体の幹部が名古屋の広告関連会社を通じてアルバイトを集め、署名を偽造するよう発注したとみられています。

 一方で、高須院長や田中事務局長、河村市長らはいずれも関与を否定しています。

 今後の捜査のポイントは、一体誰が署名偽造を企てて発注したのか、また費用はどこから出ていたかをそれぞれ突き止めることです。

 署名偽造にかかった費用は少なくとも千数百万円に上るとみられ、24日のリコール団体の活動拠点への捜索で、団体内の金の流れなどを調べていくとみられます。

 この捜索で注目されるのは、青い服を着た「鑑識」の捜査員も事務所があった建物に入ったことです。

 署名偽造を巡っては、複数の人物が同じ指印を何度も押したとみられています。建物に残された指紋を採取し、署名偽造との関係を調べていくものとみられます。

 ある捜査関係者は「誰が関与しているのか、また、後ろで糸を引いている人物をしっかり特定しなければならない」と話していて、立件に向けては、まだしばらく時間がかかる見通しです。

 また4月25日には、名古屋市長選挙の投開票日も控えています。選挙への影響も考慮し、24日のような大がかりな家宅捜索はせず、今後しばらくは水面下での捜査が続くものとみられます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c703555db61e01df33400590f5291a3ddba1e011