京都市右京区のホテルで覚醒剤を使ったとして、覚醒剤取締法違反罪に問われた男性(60)の判決が19日、京都地裁であった。戸崎涼子裁判官は「(警察官の)捜査手続きに重大な違法があった」などと述べ、無罪(求刑懲役4年6カ月)を言い渡した。
 判決は、警察官が強制採尿令状を請求した際、「(被告が)尿の任意提出を完全に拒否している」といった事実と異なる内容の資料を提出したと認定。病院で救急処置を受けている男性の様子を、承諾を得ずにビデオ撮影したことも任意捜査の限界を超えているとし、重大な違法捜査に基づく尿の鑑定書は証拠として認められないと判断した。

 男性の弁護人は「手続きの適正を尊重した公正な判断だ」と話した。京都地検の北佳子次席検事は「判決内容を精査し、上級庁と協議の上、適切に対応したい」とコメントした。

2021年3月23日 朝日新聞
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