ミャンマー進出の水産加工会社 工場停止と従業員帰国を決める
(あおもり県)

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20210325/6080011921.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

クーデターが起きたミャンマーに県内から唯一、進出している水産加工会社が、
現地の工場の停止と日本人の従業員の帰国を決めたことがわかりました。
ミャンマーでは、軍がデモ隊への弾圧を強めるなど混乱が強まっていて、県内企業にも影響が広がっています。

青森市に本社がある水産加工会社の「オカムラ食品工業」は、県内企業では唯一、
ミャンマーに進出し、おととしから最大都市ヤンゴンの近郊にある「ティラワ経済特区」で工場を稼働させています。
工場では350人を雇用し、ノルウェーなどから輸入したサーモンをすしネタに加工し、
日本やシンガポールなどに輸出していました。

先月1日にクーデターが起きたあとも、工場の稼働を続けていましたが、今月に入って物流が滞り、
原材料や加工した商品の輸出入ができなくなっているということです。
会社では今後、情勢のさらなる悪化が見込まれると判断し、工場を一時、停止した上で、
現地に駐在している日本人の従業員1人の帰国を決めました。
従業員は、来月の飛行機で、帰国できる見通しだということです。

「オカムラ食品工業」の岡本恒一社長は、「新型コロナウイルスの影響が落ち着き、
生産を増強させるフェーズでクーデターが起きた。地元の金融機関が止まり、
従業員に給料が払えなくなるなど、必要なインフラがほとんど機能していない。
停止は3か月程度と考えているが、先が見通せない状態だ」と話しています。

【影響は技能実習生にも】
ミャンマー情勢の悪化によって、県内では技能実習生の受け入れにも影響が出ています。
技能実習生の受け入れや仲介を行っている、つがる市の団体は、市内にある介護事業所から依頼を受けて、
この春までにミャンマーから介護の実習生を受け入れる予定で、去年11月には、
オンラインで面接を行い、6人の採用を決めていました。

しかし、実習生として働くために必要な現地での日本語能力試験が、新型コロナウイルスの影響で
中止になったうえ、先月1日にクーデターが起きたことで、受け入れのめどが立たなくなったということです。
実習生が不在の状態が続けば、担い手不足に悩む地元の介護事業所にも影響が出かねないため、
ベトナムやフィリピンから実習生を受け入れる準備を進めています。

技能実習生の受け入れを行っている「エンプレッサ協同組合」の傳法谷強事務長は、
「こうした事態になるとは、まったく想像していなかった。
新型コロナが収束し、ミャンマーの情勢が落ち着いたら、一斉に技能実習生の受け入れができる
態勢は整えていきたい」と話していました。

03/25 19:25