2019年11月、大阪市の女児(当時12)と茨城県の少女(当時15)が栃木県小山市で保護された誘拐事件で、未成年者誘拐などの罪に問われた無職伊藤仁士被告(36)=同市=の公判が30日、水戸地裁であった。

 当時小学6年で、自力で逃げ出して交番に駆け込んだ大阪の少女が証人尋問で、被告に出て行きたいと直訴していた経緯を語った。

 起訴状などによると、伊藤被告は19年11月17日、SNSで知り合った大阪市の女児を公園まで誘い出した上で、電車を乗り継いで自宅まで連れて行き、誘拐したとされる。

 30日の証人尋問は、法廷外からモニターを通じて実施された。被告宅から逃げ出す前日、被告に手紙で「明日ここを出たい」と訴えたと証言。その際、児童相談所に保護してもらうことも話題に出たが、「絶対に連れて行ってもらえるか分からない」と考えて、翌朝に家を抜け出したという。少女の母親も「できるだけ重い処分を受けてほしい」と証言した。(伊藤良渓)
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