産経新聞 2021.3.31 21:16

 中学校教科書の検定でいったん不合格となった後、再申請を経て合格した自由社の歴史教科書をめぐり、同社版を主導する「新しい歴史教科書をつくる会」は31日、不合格時の検定で指摘された欠陥箇所(検定意見)について、他社版の同様の記述には意見が付いていない「ダブルスタンダード(二重基準)事例」が31件あったと発表した。

 自由社版をめぐっては、令和元年度検定で規定の割合を超える405件の検定意見が付き、同年度内に再申請ができない「一発不合格」が適用された。つくる会は「ダブスタ事例」の31件がなければ規定の割合を下回ったと主張。その後の再申請で合格したが、「一発不合格(の措置)を取り消してほしい」と文部科学省に対応を求める方針。


 同会が挙げた事例では、1930年のロンドン海軍軍縮条約について「米英日の補助艦の(保有)比率が10:10:7に定められ」とした自由社の記述に対し、「不正確」との意見が付いた。日本の比率が正確には「6・975」だったことを踏まえたものだが、複数の他社版で同様に「7」とする記述があった。

https://www.sankei.com/smp/life/news/210331/lif2103310050-s1.html