神戸市の久元喜造市長は1日、新型コロナウイルス変異株の感染者の退院基準について、「2回の陰性確認」を求める国の方針が入院の長期化と病床の逼迫(ひっぱく)を招いているとして、緩和を求める要望書を田村憲久厚生労働相宛てに提出したことを明らかにした。

 厚労省は1月の通知で、変異株患者は陰性が確認されてから24時間以上後に、再度の検査で陰性が確定しないと退院を認めない方針を打ち出している。
 一方、変異株以外のコロナ患者(有症状者)は発症日から10日経過し、かつ症状が軽くなって72時間たてば、検査なしで退院が可能。市は医療現場の意見も踏まえ、変異株も発症10日で感染力がなくなる可能性があるとみて、厚労省に、科学的な知見に基づき早急に退院基準を見直すよう求めている。
 久元市長は会見で「今の厚労省の方針では、変異株検査を積極的にやればやるほど病床が逼迫する不合理がある」と指摘。兵庫県の井戸敏三知事も、1日の会見で「国が対応の方向性を明確にしないと(医療対応が)目詰まりし、重症者を受け入れられなくなる」との懸念を示した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202104/sp/0014204685.shtml