東京・西武新宿駅のすぐ近くにある『らぁ麺 鳳仙花』を知っているだろうか。現在、横浜店、綱島店と合わせて3店舗を展開しているラーメン店だ。

 新宿で人気の『煮干し中華そば鈴蘭』『らぁ麺はやし田』『俺の麺 春道』の系列でもあり、それらに勝るとも劣らないお店となっている。

激戦区新宿で行列を作るラーメン
 ラーメン屋が溢れ返る超激戦区・新宿で行列ができるほどの人気がある『鳳仙花』。私がとある休日の昼過ぎに行ったところ、外には10名ほどが並んでいた。

 営業時間は11時〜21時で、よくある「時間が合わずになかなか行けない」とはならない。通し営業なのはとてもありがたいことだ。

 15分ほど待ち、無事入店することができた。

 店内はカウンターのみで清潔感がある。トッピングが豪華になる特製らぁ麺(1000円)と金目鯛茶漬け(200円)の食券を購入し、着席して5分ほどで着丼した(金目鯛茶漬けはラーメンを食べ終わった後、店員さんに声をかける)。

 キラキラと金色に輝くスープと、赤みがかったチャーシュー。最高のビジュアルだ。金目鯛のアラを惜しみなく使ったスープは、金目鯛の旨味を最大限に生かすために炊く時間や温度管理にこだわり抜いたという。

調味料を一つも置かないこだわり
 スープを一口頂くと、気品を感じさせる金目鯛の出汁の旨味と上品な油の香ばしさが感じられるが、いわゆる「上品」という枠だけに収まらず、こってり味を愛する私も納得の味になっている。

 卓上の調味料が一つも置いていないのは、そのこだわりのスープをそのまま味わってもらいたいという思いからなのかもしれない。

 麺は数種類の厳選した小麦を配合し、さらに全粒粉を入れた細ストレート麺。(小麦粉は表皮などを取り除いてからすり潰すのに対し、全粒粉は小麦を丸ごとすり潰すため、表皮や胚芽が含まれる。栄養価も金額も高くなる)。

 多加水麺らしく柔らかめのスルスルいけるタイプで、喉越しが良く、スープを程よく持ち上げてくれる。噛んでいくに連れて小麦の香りが感じられるのは、全粒粉の特徴だろうか。






名脇役たちの仕事ぶりがすごい
 続いてトッピング。豚肩ロースを低温調理したチャーシューはレアで赤みがかっており、薄切りでしっとりとした食感。スープに沈めれば熱が通り、色と食感が変わる。個人的には一瞬だけスープに浸して食べるのがベストだと感じた。

 特筆すべきは長ーい穂先メンマ2本だ。サクサクっとした食感でみずみずしく、特別にしっかりとした味付けがされているというよりは、素材の味を楽しむという感じでいい脇役になってくれる。

 ネギと刻んだ紫玉ねぎはいいアクセントになり、金目鯛のほぐし身が少量乗ってある。玉子は黄身の濃さを極限まで高めたブランド『マキシマムこいたまご』を使用。「これぞ玉子だ!」といった濃厚な黄身の美味しさが味わえ、甘味とコクがある。

 名脇役たちを少しずつ摘みながらラーメンをすすっていると、あっという間に完食した。お茶漬けのために残しておかなければならないはずのスープを飲みすぎてしまっていた。

 このラーメンは年齢、性別問わず老若男女に刺さるものではないか。普段はほとんどこってりしか食べない私にも、しっかりと刺さった。

こだわりスープを最後まで楽しめる『金目鯛茶漬け』
 しかも、まだ楽しみが残っている。店員さんに一声かけて『金目鯛茶漬け』をお願いする。

 ご飯の上に金目鯛の切り身とネギ、貝から採った割りスープが入っている。その上から少なくなったラーメンのスープをかけ、わさびを溶かしてズズズッと一気に掻き込む。この奥深い旨味たっぷりなスープにご飯が合わないわけはなく、なるほど、これでこだわりのスープを最後まで楽しめるというわけだ。同店に来たらマストアイテムだろう。

 “あっさり”“上品”で印象に残らず終わってしまうことはたくさんあるが、間違いなくまた食べたいと思わせてくれるラーメンであった。

 次は数量限定の人気メニュー『金目鯛らぁ麺〜濃厚白湯仕立て〜』を食べに行くと決めた。<取材・文/ジロリアン陸>

https://news.yahoo.co.jp/articles/e4e43b2f4bf9f27606dc7e0fc66c1f999e764aff
4/11(日) 8:53配信

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