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東京都千代田区は13日、皇居東御苑三の丸地区の発掘調査で、
江戸時代初期(17世紀初頭)に造られた江戸城の石垣が見つかったと発表した。

区の担当者は、「後世の修築の跡が少なく、現存する江戸城の石垣では最も古い状態良好に残した貴重な遺構」と話す。

発掘は三の丸尚蔵館の新館建築工事に伴って実施。石垣の規模は幅約16メートル、高さ約4メートルで、段数は7段程度。
石垣上部の表面は、当時、水につかっていた様子を示す跡があり、堀として使われたとみられる。


石垣は、加工した大小の石材を不ぞろいに並べた「打ち込みハギ」や「乱積み」と呼ばれる技法を用いる。
さらに一緒に出土した陶磁器の破片の年代などから、慶長期後半から元和期(1610〜20年頃)のものと推定される。
江戸初期の絵図から、石垣が使われたのは10〜20年程度で、新たな堀の築造で埋められた可能性が高いという。

石垣を補強するため、利根川水系の河原の石を用いていることも分かった。同時期の石垣は、
皇居内のほかの場所でも確認されているが、築造当時の状況を詳しく伝える例は珍しい。
また当時の江戸城は海に近く、地盤が軟弱だったため、石垣の下半部を土に埋めて補強していた。

今回の発見に伴って工事は設計変更され、見つかった石垣は、再び埋め戻して保存される。

千田嘉博・奈良大教授(城郭考古学)の話「加工した石垣の断面を見せる最新の技法と、
石垣ののり面が直線に見える古い技法が合わさった、江戸城初期の石垣の構造が分かる。
(徳川幕府の)初代家康、2代秀忠の頃の石垣が良好な状態で残り、重要な発見だ」


江戸城三の丸地区で発見された江戸時代初期の石垣(13日午前、皇居で)
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