南西地域の防衛体制の強化を進めている自衛隊はことし秋、全国から数万人規模の隊員を九州に集める過去最大規模の演習を行うことにしています。海洋進出の動きを強める中国を念頭に置いた演習とみられます。

縄や鹿児島の離島に新たに部隊を配備するなど南西地域の防衛体制の強化を進めていて、この地域で緊張が高まれば全国から部隊を集め、あらゆる事態に切れ目なく対応するとしています。

こうした中、陸上自衛隊はことし9月から11月にかけて南西地域の防衛を想定し、およそ14万人いるすべての隊員が参加する過去最大規模の演習を行う計画です。

北海道と東北、四国から「師団」や「旅団」と呼ばれる数千人から1万人規模の3つの部隊を九州に展開する予定で、全国の部隊が参加し、これだけの規模で演習を行うのはおよそ30年ぶりだということです。

演習では隊員だけでなく戦車や食料も船や航空機を使って運ぶ計画で、詳細な内容は新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて決めることにしています。

陸上自衛隊は、今回の演習で南西地域を防衛するため部隊の展開や後方支援にどのような課題があるのかを検証し、実際の部隊の派遣に備えた計画づくりにいかすことにしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210416/k10012977521000.html