自民党の安倍晋三前首相が動きを活発化させている。3月27日には新潟市で党新潟県連のセミナーで講演し、次期衆院選に向けた支援を呼びかけた。
今後、細田派(細田博之会長)所属議員の選挙支援に力を注ぐ方針だ。近い将来の派閥復帰に向けた「足場固め」との見方があり、徐々に存在感を高めようとしている。【遠藤修平】

「桜」で自粛した活動、徐々に再開

 「お疲れ様、がんばってね」。新潟市での講演後、安倍氏が見送りに来た細田派の細田健一衆院議員(比例・北信越)に声をかけて車に乗り込むと、細田氏は深々と頭を下げた。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で開かれた講演には約600人の支援者が詰めかけた。

 細田氏は新潟2区の党支部長を務める。だが、過去に同選挙区で敗れた鷲尾英一郎氏が旧民進党から入党。
次期衆院選の公認争いが続いている。こうした中で、同じ派閥出身の安倍氏の来訪は、細田氏にとって追い風になる。

 安倍氏は「桜を見る会」前日に開催した夕食会費補?(ほてん)の問題で昨年末、 
安倍氏の公設第1秘書の男性が政治資金規正法違反(不記載)で略式起訴され、党内外から反発を招いた。同年12月の国会招致に応じ自らの答弁を修正。
後に自身は不起訴処分となったものの、菅政権の低迷の一因となった。党内からは「議員辞職すべきだ」との厳しい批判も上がった。

https://mainichi.jp/articles/20210409/k00/00m/010/396000c