https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210423/dom2104230006-n1.html
 「軍艦島」こと、長崎県・端島の暮らしを記録したNHKのドキュメンタリー作品「緑なき島」に対し、一般財団法人「産業遺産国民会議」と「真実の歴史を追求する端島島民の会」が、「事実の改竄(かいざん)が行われた」と告発している問題で、島民の会は産経新聞(22日付)に意見広告を掲載した。

 意見広告では、実際の端島炭坑の写真と、NHK「緑なき島」の映像を比較して異常さを指摘したうえで、NHKに徹底調査と事実の公表、内容に誤った部分があれば世界に向けた訂正報道を行い、誤った映像を回収するように求めている。

 1955年放送の「緑なき島」は、炭坑作業者がふんどし姿で、這(は)いつくばるような低い坑道で作業する映像を報じた。映像は「強制連行」被害を報じる韓国メディアに引用されたが、国民会議側の調べで、元島民の証言や当時の坑内規則と食い違うことが明らかになっている。

 NHKの前田晃伸会長と、正籬(まさがき)聡副会長は国会で答弁に立ち、番組制作に関する資料の確認や関係者への聞き取り、55年以前に撮影した炭坑内映像約140本の精査したとし、「別の炭坑で撮影された映像が『緑なき島』で使用された形跡はなかった」と回答している。

 国民会議側は22日、ユーチューブに動画を投稿した。NHKの放送ガイドラインに記載された「真実に迫ろうとする姿勢」という文言を引用し、「NHK側の国会答弁には、『真実に迫ろうとする姿勢』が見受けられなかった」などと主張している。