東京都の小池百合子知事(68)は23日の定例会見で、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言期間中の午後8時以降は「街灯を除く全ての明かりを消して」と要請した。“超異例”の対策について小池氏は「人流を抑制するための措置だ」と説明。都は大型商業施設や商店街に対して午後8時以降に店のネオンなどを消すよう要請するが、一部商店街組合からは「明かりを消すことがコロナの感染者減少につながるのか」と実効性を疑問視する声も上がった。

 小池氏は、3度目の宣言発令を余儀なくされた都内の感染状況について「危機的状況にある」との現状認識を示し「ゴールデンウィークを間近に控える中で、強力な人流の抑制策を講じる必要がある」と強調した。

 感染拡大に歯止めがかからない中、新たな“夜の街”対策に踏み切る。宣言期間の25日から来月11日に「20時以降に街頭の照明を伴う看板やネオン、イルミネーションなどを停止するよう関係団体に要請する」と発表。「70年代のオイルショックや10年前の東日本大震災では、電力をいかにして使わないかという目的で東京の夜の街が相当暗くなった。今回は人の流れを抑制するための措置だ」と説明した。

 都は昨年末から年始にかけても大型商業施設などにイルミネーションの点灯自粛を求めてきた。今回も、六本木ヒルズなど約100団体に対して“イルミ自粛”を要請。さらに、東京都商店街振興組合連合会を通じて、都内全域の商店街に午後8時以降の装飾照明や商店街出入り口などに設置されたアーチなどの“ネオン自粛”を促す。

 都担当者によると、新宿の歓楽街・歌舞伎町のシンボルで、赤い光が特徴の「歌舞伎町一番街アーチ」も“夜8時消灯”の対象となる。歌舞伎町商店街振興組合担当者は、スポーツ報知の取材に「電気を消したからといって人が来なくなる、感染者が減るという根拠はない。消灯に関しては今後協議するが、難しい判断になるだろう」とこぼした。空き巣など犯罪増加への懸念も広がりそうだ。

 宣言発令の決定後、小池氏は23日夜の臨時会見で、大型商業施設や遊興施設などへの休業要請に加え、都独自策として生活必需品販売を除く1000平方メートル以下の施設に対しても休業の協力を依頼すると発表。応じた事業者には都の予算で1日2万円を支給すると明らかにした。今夏の東京五輪・パラリンピックについては「安全安心な大会を開催する都の方針は変わっていない」と改めて開催に前向きな姿勢を示した。(奥津 友希乃)

 ◆路上飲みに注意呼びかけ

 ○…東京都は23日、午後8時半から警視庁職員や東京消防庁職員らが合同で、新宿・歌舞伎町周辺の見回り呼び掛け活動を行った。都内で多く見られる若者の路上飲みに焦点を当てた呼びかけは今回が初めて。約20人の職員らがプラカードを掲げて歩き回り、路上飲みをしていた若者に「ご協力お願いします」と声をかけ、マスクを手渡した

4/24(土) 6:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/9da344553f863fb67ab10bc29803f722dcff0919