「新しい薬が大変よく効き、あと2回ぐらい点滴をすれば一応治療が終わる」。安倍氏は22日に東京都内で開かれた憲法に関するシンポジウムで、
首相辞任の引き金となった潰瘍性大腸炎の治療についてこう報告した。
 安倍氏は「桜を見る会」前夜祭の問題を受け、首相辞任後しばらくは目立った活動を控えていた。
しかし今月、自民保守系議員でつくる二つの議連に顔を出し、それぞれ顧問に就任。22日の議連会合で
は「保守政党として、日本を日本たらしめるものに、常に思いをはせながら取り組んでほしい」と呼び掛けた。

宿願の憲法改正では、党憲法改正推進本部の最高顧問に就任し、同本部内から「挙党体制で推進できる」(幹部)と期待の声が出ている。
安倍氏は22日のシンポジウムで、立憲民主党の枝野幸男代表が安倍政権の間は議論に応じない方針だったことを引き合いに「もう首相じゃないから議論しろよと思う」と批判してみせた。

自民内には、安倍氏の3度目の首相登板を待ち望む声もあり、ベテラン議員は「あり得る話だ」と語る。
注目されるのは出身派閥である細田派への復帰のタイミングだ。派内には衆院選前の会長就任を求める声もある。

一方、同派幹部は、桜を見る会をめぐる事件で元公設第1秘書への東京地検の再捜査を踏まえ、「捜査が終わるまでは難しい」とみている。
安倍氏の退陣後、長年暗礁に乗り上げていた国民投票法改正案の国会審議は動きだした。このため、「野党が再び反発しかねない。
もうしばらく静かにしていてほしい」(自民中堅)と自重を求める声もある。

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