https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00278/042600007/

新型コロナウイルスの感染拡大で3度目の緊急事態宣言が東京都と大阪府、京都府、兵庫県に発令された。だが、大阪では既に医療は限界を超え始めている。感染力の強い英国型変異株が広がり、若い世代に感染者が増えて重症患者も増え続けている。一部の医療現場では、人工呼吸器などの重要な医療機器を誰から優先で使うかを迫られかねない状況になっているという。患者の重症度によって治療の優先度を決定するトリアージの議論が必要な時が迫りつつある。

「寝たきりの高齢者でした。新型コロナウイルスの感染者で。恐らく大学病院でも受けなかったのでしょう。うちに回ってきて……。実は当院も少し前に新型コロナ患者の関連で色々苦労して、いったん外来の受け入れを止めていたのです。でも、市内に病床がなくなって、『受けてくれないか』と頼まれたのです」

 西日本のある中規模病院の院長は昨年春の出来事をこう振り返る。新型コロナ患者の重症者を受け入れるのは大半が大学病院など高度医療のできる医療施設。ところが、その大学病院が新型コロナ患者の急増で病床が逼迫し、「ECMO(体外式膜型人工肺)や人工呼吸器を若い患者に回すために(高齢者は)受けなかったのではないか」という。そして、「それはやっぱりトリアージですよ」と打ち明ける。

 トリアージとは、患者の重症度によって治療の優先度を決定して「選別」をしていくことだ。結果から見れば、大学病院は、より若い世代を“優先”したかのようだ。

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