東京新聞(2021年04月28日 06時00分)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/100890

 東京都八王子市南新町のアパートで外階段の一部が崩落し住民の女性が死亡した事故を受け、八王子市が、アパート施工会社が手掛けた市内の他の物件を調べた結果、数軒のアパートなどで腐食などの異変が見つかったことが関係者への取材で分かった。同社施工の住宅は神奈川県内を中心に100軒以上あるとみられ、他の自治体も調査をしている。

 関係者によると、腐食が見つかったのは、アパートなどに設置された外階段。市職員らが現地を訪れるなどして確認したところ、階段の木材部分が腐食しているのが確認された。現時点でけがなどの被害は確認されていないという。

 事故は17日午後2時すぎ、アパート3階に住む無職大手里美さん(58)が階段を上っていた際、踊り場と2階通路をつなぐ鉄製階段(3段)が崩落し、外傷性脳挫傷により搬送先の病院で死亡した。

 階段は設計当初の鉄骨ではなく、木造で施工されていた。鉄製の階段が敷設された踊り場とのつなぎ目にある木材が腐食し、くぎなどもさびていた。防水加工が不十分だったとみられ、警視庁捜査1課は業務上過失致死容疑で調べている。