2020年国勢調査(速報値)で、前回の15年調査と比較した秋田県の人口減少率は6・2%となり、過去最大の減り幅を記録したことが分かった。
県が28日に発表した。減少率は前回調査時より0・4ポイント拡大しており、人口減の流れがより加速した形だ。

 県調査統計課によると、20年10月1日時点の県人口は、前回調査より6万3006人少ない96万113人(男45万2479人、女50万7634人)。
5年ごとの同調査で県人口が100万人を下回ったのは1930(昭和5)年以来、90年ぶりという。
世帯数は前回より0・8%減の38万5422。1世帯当たりの人数は2・49人となり、過去最少となった。

 県内25市町村のうち、前回より人口が増えたのは東成瀬村だけだった。
3・7%(97人)増えたが、村内で成瀬ダムの建設が始まり、作業員が宿舎などに滞在しているためという。

 人口が減った24市町村のうち、減少率が大きかったのは、@藤里町=13・7%(461人)A上小阿仁村=13・1%(312人)B男鹿市=11・3%(3200人)などだった。
県内では人口規模が大きく、大型商業施設も多い秋田市は、減少率が最も小さく2・5%(7929人)だった。

 人口減が加速している背景について、同課は高齢者が亡くなる自然減に加え、出産可能な年代の県外流出がある、とみる。
「秋田市は若い世代が他の市町村より多いので、人口減少率も県内では低め。人口を引きつける力が他に比べて高い印象がある」としている。

 今後の人口減少対策について、県あきた未来戦略課の信田真弓課長は
「短期間での解決は難しいが、『あきた結婚支援センター』による独身男女のマッチングや子育て世帯への経済的な支援を進める」と話す。
若者にとって魅力的な職場づくりや雇用環境の改善を企業に促すほか、地元就職に関連した情報の発信に努め、社会減の抑制にも力を入れていくという。(佐藤仁彦)
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