3度目の緊急事態宣言を受けて、大阪市西成区でホテル4カ所を運営するジュノングループは、「1泊限定390円」のプランを再び始めた。コロナ禍で生活に困った人たちを支援することが目的で、シーツの交換代や光熱費などを差し引くと、「大赤字」になることを今回も覚悟している。

 コロナ禍の前、週末は訪日外国人客らの利用で満室状態だった客室稼働率は、感染拡大後に30%前後まで激減。「仕事を失った人などの役に立ちたい」と、1月中旬から1泊限定390円の特別料金プランを始めた。2カ月間で住まいを失った人など約1千人が利用し、3月の客室稼働率は約60%まで上がった。

 しかし、感染者が増えた4月中旬からキャンセルが相次ぎ、客室稼働率は約40%まで減少。今後はさらに空室が増えることが見込まれる。前回は「赤字になるから無理」、「何の意味があるのか」など、激安プランに社内から反対の声が多かった。だが今回は、「また始めませんか」と従業員から進んで提案してきた。

 宿泊客へのアンケートの結果によると、前回は利用客の約15%が就職活動のために来た人だった。「おかげで仕事が見つかりました」とお礼を言われたこともあった。「今回も仕事を失い困っている人などにぜひ利用してほしい」と担当者は呼びかけている。

 緊急事態宣言中は続ける。終了時期は未定。(森直由)
朝日新聞社

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