「勉強しないと叔父さんのようになるぞ」

これは年末年始に開催された、生活困窮者を支援する「年越し大人食堂」で、食事を求めて並ぶ人たちにアンケートを取った際、初老の男性から聞いた「扶養照会」にまつわる残酷な言葉だ。

男性は過去に生活困窮して生活保護を申請した。その際、親族へ「援助ができないか?」と扶養の可否を問う通知が送られて、親族に男性の生活困窮が知れた。
援助できる親族がいなかったために、男性は無事に生活保護を利用できるようになった。が、しかし、葬儀に参列するために田舎に帰ったときのことである。酒も入った兄弟の1人が子どもに向かって言ったのが冒頭の言葉だった。

「それきり実家には戻ってないです。生活保護ももう受けたくはない」。そういうと、男性はうつむいた。

冒頭の男性のように家族仲が扶養照会によって破壊されたケースも多数あり、「きょうだいに罵倒され、それ以来、音信不通」「仲がよかった親きょうだいと気まずくなり、疎遠になってしまった」「弟に怒られ、住所も教えてもらえなくなった」など、家族の助け合いを求める扶養照会が家族をバラバラにしている結果に心が痛む。

上記のほかにも「言いふらされた」「恥と言われ、縁を切られた」など、関係が切れるだけでなく、被保護者の尊厳までをもズタズタにするのが扶養照会だ。

生活困窮は罪なのだろうか?

「扶養照会で脅かし、決定権はわれにありというマウンティングをしたい」とか、「受け持ちを増やすくらいなら扶養照会で脅かして追っ払いたい」と思う職員がいないとも言えないのが悲しいところだ。

「おまえのうそを暴いてやる」という閻魔大王気取りに当たる場合もある。命と生活を守る福祉事務所に閻魔大王はいらない。


2021/04/25 19:30
https://toyokeizai.net/articles/-/424391

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