新型コロナウイルスの医療体制が危機的な状況になっている大阪では自宅療養中の患者などが救急搬送される際、できるだけ早く必要な治療につなげようと大阪 守口市にある大学病院に患者を一時的に運び込んで医師が診断を行い、治療の緊急度を判断する取り組みが始まっています。

新型コロナウイルスの医療体制が危機的な状況になっている大阪では重症病床が足りなくなる中、自宅療養中の患者などの容体が悪化して、救急搬送しようとしても、なかなか入院できない事態が起きています。

そこで、大阪府と大阪 守口市にある「関西医科大学総合医療センター」では、患者の容体をできるだけ正確に把握し、治療の緊急度を判断する「救急車トリアージ」と呼ばれる取り組みを先月中旬から始めました。

この取り組みでは、大阪府内で長時間、受け入れ先の病院がみつからず、症状が悪化している患者が出たときに入院調整を行っている大阪府の指示で総合医療センターにいったん、搬送します。

センターでは、CT画像を撮って肺の状態を調べるなどして、患者の容体を診断し、重症度を見極めます。

一刻を争う患者がいた場合、再び府が比較的、容体が安定した患者を転院させるなどして病床を空け、入院先を決めることになっています。

センターによりますと、この取り組みをはじめて以降、1日に5件から10件程度、「トリアージ」を行っているということです。

先月24日には、自宅で容体が悪化したもののおよそ7時間、入院先が見つからなかった50代の男性患者がセンターに運び込まれ、重篤な状態と診断されて、入院することができました。

関西医科大学総合医療センターの中森靖副病院長は「自宅などにいる患者はPCR検査をしただけで、レントゲンもCTスキャンも受けていない人がたくさんいて、受け入れる病院も症状が分からず困っているのが現状だ。初期の診断をすることで少しでも現状の改善につながればと思う」と話しています。

NHKニュース

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