「人がまるでゲームの中のように簡単に殺されています」
 「日本の皆さま、どうか助けてください」
 ミャンマーで国軍によるクーデターが発生して5月1日で3カ月。市民の抗議デモに対し、国軍が重火器を使用して弾圧し、700人を超す死者が出ています。
 東北には1300人以上のミャンマー人が暮らしています。今、祖国の惨状をどのように受け止めているのでしょうか。その声に耳を澄まし、私たちに何ができるのか考えてみたいと思います。
(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

(中略)
民政下で育った若者が立ち上がる

 長い軍政から、民政への移管が実現したのは11年。15年の総選挙では、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝し、民主化の定着と経済発展を続けてきました。
 「街がきれいになり、車も良くなりました。進出する日本企業が増えて、ミャンマーの雇用に国際的な支援が生まれました。未来に向けて明るい流れが見えていました」
 その流れは2月1日、暗転しました。国軍は実質的な国の最高指導者のスー・チー国家顧問兼外相らを拘束し、全権掌握を宣言しました。

日本政府は傍観せず暴力を止めて

 依然として混乱が収束する兆しは見えていません。
 「若者たちの命がこれ以上奪われないよう、一刻も早く暴力を止めてほしいです。一国の手に負えない困難に陥っています。国連などが『やめろ』と間に入ってほしいです」

[古里ミャンマーを思う宮城からのメッセージ]

 宮城県に在留する他のミャンマー人3人にもメッセージを寄せてもらいました。県内には東北で最も多い542人のミャンマー人が在留しています。
日本語訳は宮城・ミャンマー友好協会にお願いしました。
泣き声と銃弾の音が一日中響く

▼男性
 「私が日本の政府に訴えたいのは、ミャンマーを助けてほしいということです。クーデターが起こり、抵抗する国民は仕事を失い、生活に困窮しています。
 ある地域では、朝から晩まで子どもの泣き叫ぶ声と、銃弾の音が響いています。ある村では、安全を求めて土地や家を捨てジャングルに逃げ込み、
食べ物もなく隠れている人がたくさん出ています。都会の町では、ドアを無理やり壊され、連れ去られて行く人がたくさんいます。連れ去られた後は厳しい暴行を加えられます。
 日本政府には一日も早く軍の暴挙を止めさせ、平和なミャンマーが戻ることに力を貸してほしいです」

(中略)
ゲームのように簡単に殺される
▼女性
 「もしあなたの家に突然軍人が10人やって来て、ドアを開けろ、と言われたらどうしますか? 開けないとドアを壊し、『なぜ開けなかったのか』と殴り、
無理やり連行されてしまいます。周りの家からも怖くて誰も助けにきてくれません。じっと隠れているだけです。
 人がまるでゲームの中のように簡単に殺されていきます。
 今欲しいのは守ってくれること、助けてくれること、それだけです。私たちはそれを待っています」

全文
https://kahoku.news/articles/20210430khn000034.html