カルビー、ネスレ日本、森永乳業など、日本を代表する食品メーカー各社が導入しはじめているAIツールがある。マーケティングリサーチとパッケージデザインを展開するプラグが2年前にリリースした「パッケージデザインAI」だ。

 カルビーでは、「とうもりこ」「えだまりこ」に続いて、同社の“最堅”ポテトチップス「クランチポテト」のリニューアルでもパッケージデザインAIを活用したことを2020年9月に発表していたが、リニューアル前のデータと比べ、何と売上が1.3倍に増えたという。

 パッケージデザインAIとは、画像をアップするだけでデザイン評価をAIが予測するウェブサービスだ。主なアウトプットは好意度予測スコア、ヒートマップ、イメージワード、好意度のばらつきの4つ。

 「好意度予測スコア」は、1〜5の数値でデザインごとのスコアを予測できる。最大10点の画像のスコア比較できるほか、性別や年代別にスコアを提示することも可能だ。「ヒートマップ」は、デザインのどこが好意度と結びついたかを可視化できる。これによって、デザイン修正の指針を得られるという。

 「イメージワード」は、デザインごとにどんなイメージを持たれるのかを予測する。かわいい、優しい、季節感があるなど、パッケージデザイン評価で頻出する19種類のキーワードが設定されている(食品以外では18種類)。「好意度のばらつき」では、万人うけするか、特定の層に支持されるかを測れる。

 「AIはよくブラックボックスだと言われるが、パッケージデザインAIはこのデザインの好意度がなぜ高いのかなど、デザイン評価の理由まで紐解ける設計になっている。AIの判定に従うというより、デザイン開発における試行錯誤や気づきの量を増やすことで、自問自答や議論が深まりデザインが正解に導かれていく、そのような使われ方をしている」(小川氏)

 実は、このような活用方法を生み出しているのは、先行導入したユーザー企業なのだそう。冒頭に紹介したポテトチップス「クランチポテト」の売上が1.3倍増(※)になったカルビーはその好例だ。「最堅というコンセプトや美味しさを伝え切れていない」という仮説のもと、パッケージデザインAIを駆使してリニューアルし、発売前に好意度予測スコアを大きく引き上げることに成功したのだ。(※インテージSRI調べ)

 小川氏は、「この商品のパッケージでは、バリバリという食感や堅さを伝えたいが、従来は商品名に帯をつけて色を変えていたため、どうしてもそこに目が行ってしまい、シズル感を伝えきれていなかったと考える」と説明し、このように話した。

 「デザインと調査をずっとやってきた経験から、AIの判定結果をヒントに自問自答しながらデザインをブラッシュアップしていけば、必ずいいデザインができると思っていたが、実際に好意度予測スコアも改善でき、パッケージのリニューアル後の推定販売規模が135%に、店頭率も上がったという成果につながり、大変嬉しく思っている」(小川氏)

▽ 記事内容を一部引用しました。全文はソースでご覧下さい
https://news.yahoo.co.jp/articles/95dcc91e9d9719975eb0582cf8cd2e81c25b39f9
https://japan.cnet.com/storage/2021/04/30/66c3c4a001bed96df0fb82a31359e00b/t/584/438/d/210504_ai_00000.jpg