【北京=川手伊織】中国税関総署が7日発表した2021年4月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比32.3%増の2639億ドル(約28兆円)、輸入は43.1%増の2210億ドルだった。輸出、輸入ともに伸び率が2ケタ以上となるのは、1月から4カ月連続だ。米国との貿易が全体をけん引した。

輸出から輸入を差し引いた貿易収支は428億ドルの黒字となった。輸入の増加額が輸出の増加額を上回ったため、貿易黒字は前年同月比5%縮小した。


輸出を品目別にみると、携帯電話が前年同月比38%、パソコンが1%それぞれ増えており、情報機器の出荷が好調だった。伝統的な輸出品である衣類や玩具も6割以上伸びた。一方、新型コロナウイルスの感染拡大以降、輸出を引っ張ってきたマスクを含む織物は17%減少した。

地域別では、国別で最大の輸出先である米国向けが前年同月を3割上回った。欧州連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)への輸出も2〜4割増えた。

輸入は11年1月以来、10年3カ月ぶりの高い伸びを記録した。最大品目である半導体が前年同月比23%増えた。原油は7割、大豆は5割伸びた。地域別にみると、米国やオーストラリアからの輸入がそれぞれ5割前後増加した。国際商品市況が回復しており、資源国からの輸入額が膨らんだ。

朝日新聞 2021年5月7日 12:59
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM069O80W1A500C2000000/?n_cid=SNSTW001