「さらなる延長で心苦しく思う。どうにかしてこの難局を打開しなければならない」。小池百合子都知事は7日夜の臨時記者会見でこう述べ、都の対策への協力を呼びかけた。
 今回の延長では、政府が休業要請の対象施設を一部緩和したが、都は延長後も建物の床面積が1000平方メートルを超える百貨店など大型の商業施設などに対し、引き続き休業を要請する。1000平方メートル以下の中小施設に対しても休業の協力依頼を続ける。都幹部は「都心の百貨店が開けば大勢の人出が見込まれる。要請を解くのは時期尚早だ」と強調する。

 1000平方メートルを境とした休業の「要請」と「協力依頼」は、博物館や美術館、映画館やプラネタリウムなどの文化・芸術施設でも同じだ。ただ延長後は、劇場や演芸場、テーマパークや遊園地などについてはイベントの扱いと同様に「5000人以内かつ収容定員の50%以下」であれば、施設の規模を問わず、観客の受け入れを認める。

 都によると、映画館やプラネタリウムは「無観客での営業が成立しない」として、政府から休業や時短営業などの要請を行うよう方針が示された。これに対し、都は「人出を誘発する映画館などが時短営業に移行できる状況ではない」(幹部)として、休業の要請と協力依頼を続ける対象とした。

 一方で、政府が無観客開催の可能な施設と判断していた劇場や演芸場については、今回、政府が観客数などに上限を設けた上で客を入れた営業を認める方針に変更したため、これに合わせたという。

 この区分について、都の担当者は「納得してもらえないかもしれないが、政府と協議してこのような整理になった」と説明。一方で、営業が認められた劇場や遊園地なども、人出の増加が顕著だと判断された場合には、「休業要請に切り替えることも視野に入れて検討している」(幹部)とする。

 宣言の解除について、小池知事は臨時記者会見で「できるだけ早く解除したいのはどの自治体も考えていることだ」としながらも、「新規感染者や医療提供体制など様々な指標があり、総合的な判断が必要になる」と、具体的な目標を示すことは避けた。
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