英仏海峡の漁業権を巡り、英国とフランスが対立を深めている。英国側の島が仏漁船を締め出したのに対し、仏側は島への送電停止を示唆。英国は現地に海軍の船を派遣した。「あわや、戦争か」といわんばかりの緊張だと、メディアはかき立てている。

 この島は、仏本土からわずか20キロ余に浮かぶ英ジャージー島。英王室の所有で高度な自治機能を持つ。英国が昨年、欧州連合(EU)を離脱したのを機に、同島は領海内での操業を厳格化。これに、フランス側の漁業関係者が反発した。

 仏漁協は6日、漁船約100隻で島を封鎖する構えを見せ、仏閣僚は島への送電を止める可能性も示唆。電気の9割以上を仏側に頼る島は停電の危機にさらされた。英ジョンソン政権は同日、海軍所属の沿岸警備艇2隻を派遣。仏側も警察艇を周辺海域に出した。

 英大衆紙デイリー・メールは6日、「ジャージーに砲艦を派遣」と報じ、仏側の送電停止を「戦争行為とは言わないまでも、好戦的な行為だ。専制的な振る舞いを強めるマクロン仏大統領に起因する」と批判。仏ルモンド紙は「仏漁師の主張は、英国のEU離脱協定に沿っている」と反論している。

Yahoo!Japanニュース/朝日新聞デジタル 5/7(金) 15:00配信
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