大阪府内で新型コロナウイルスに感染した妊産婦が昨年3月以降、168人に上ることが、大阪産婦人科医会の調査でわかった。

 「第4波」で感染者が増え、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使った重症者が5人いた。

 同会は「多くの妊産婦は外出を控えており、家庭内で感染した可能性がある」と指摘。「同居する家族らは感染対策を徹底してほしい」と呼びかけている。

 感染した妊産婦の治療を担う府内の38医療機関にアンケート。昨年3月2日〜今年4月25日に168人の感染者が確認された。死亡例はなかった。母子感染が疑われるケースが1例あったが、新生児への影響は報告されていないという。

大阪府での第3波(昨年10月10日〜今年2月末)では感染者は週に0〜6人だったが、3月1日からの第4波では10人以上の週もあり、人工呼吸器が4例、ECMOによる治療が1例あった。いずれも回復したが、人工呼吸器などを使う例は第3波まではなく、重症化しやすいとされる変異ウイルスの影響とみられる。

 感染症と出産や新生児の医療に対応可能な医療機関は限られる。同会副会長の光田信明・大阪母子医療センター副院長は「重篤な症例は今のところ少ないが、感染者が増えれば受け入れ先のない状況になりかねない」と警戒している。

https://news.livedoor.com/lite/article_detail/20155723/