スポーツ報知
2021年5月11日 3時0分スポーツ報知
https://hochi.news/articles/20210510-OHT1T51165.html

 歌謡曲からアニメまで幅広いジャンルで活躍したトランペット奏者の数原晋(かずはら・しん)さんが死去したことが、10日までに分かった。74歳だった。

 生前親しかった音楽関係者によると、4月中旬に連絡が取れなくなり、千葉県市川市の自宅を訪問すると、管理人から「少し前に亡くなられて、親族の方が身の回りの物を引き取りに来た」と説明を受けたという。

 数原さんは高校卒業後に一般企業に就職するも音楽への思いを断ち切れず、音大に進学。「高橋達也と東京ユニオン」などのバンドを経て、フリーに。歌謡曲やドラマ・映画音楽など活躍は多岐にわたった。

 パララ〜のメロディーでおなじみの「必殺シリーズ」テーマ曲や、山口百恵さんの「いい日旅立ち」(78年11月)のイントロの演奏を担当。松任谷由実や山下達郎のレコーディングにも参加した。スタジオジブリの映画楽曲にも縁深く「天空の城ラピュタ」では主人公のパズーが「ハトと少年」を吹くシーンを演奏した。

 近年はレッスン講師として指導に回る傍ら、3か月に1回のペースで演奏を続けていた。昨年9月に会ったという知人は「顔色が少しずつ悪くなっていた。『もう潮時かもな』と言っていたのが印象的だった」と話した。

 長年仕事を共にしたシンガー・ソングライターの角松敏生は自身のフェイスブックで「自分と関わりの深い恩義ある方の訃報が届きました。近年40年余、日本の大衆音楽に彼が貢献してきたことは語り尽くせないでしょう」としのんだ。

 ◆数原 晋(かずはら・しん)1946年9月13日、岡山県出身。国立音大中退後、4つのバンドを経てフリーに。角松敏生を始め、杏里、SMAPら、多くのアーティストのレコーディングに携わった。