5/10(月) 21:50
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 青森県農協中央会は10日、青森市内で定例理事会を開き、阿保直延・代表理事会長(71)を代表理事から解職する緊急動議を賛成多数で可決した。後任の代表理事には青森農協(本店・同市)の雪田徹組合長(63)が同日付で就任した。阿保氏は併せて出された会長職の辞任勧告は拒否した。代表権はなくなったが、理事として会長職は続投する。県内農協を束ねるトップが内部から辞職を迫られる異例の事態となった。

 理事会は県農協会館で非公開で行われた。出席者によると、副会長補選や役員改選で生じた混乱の責任がある−として、ゆうき青森農協(本所・東北町)の乙部輝雄組合長が解職動議を提出。採決の結果、賛成4、反対3で可決された。

 阿保氏は津軽みらい農協組合長などを経て2015年6月に同中央会会長に就任し現在2期目。19年9月末、中央会が特別認可法人から農協法上の任意組織である農協連合会に移行したことに伴い代表理事会長となった。

 中央会によると、同会の普段の業務に関しては会長が総括しているため、代表権がなくなっても会長職務への影響は少ないという。阿保氏は取材に「混乱させた責任があるというが、そっくりそのまま相手に返したい」と語り、解職への不満をあらわにした。代表理事に就いた雪田氏は「(解職は)あきれるだけだ」と述べた。

 また同日は役員改選の日程についても採決したが、賛成3、反対4で否決された。6月末の役員改選まで2カ月を切ったものの、今後の日程は不透明で、任期満了までに改選手続きが終えられるかどうかは見通しが立たない状況となっている。改選の今後の進め方について、阿保氏は「これから検討する」とした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/89b595cb905e3fcb0de4fa0d1dc732e05a0b6248