精密な筆致の人物画を得意とし、動画サイト「ユーチューブ」に制作風景を投稿して人気に火が付いた鉛筆画家が富山市にいる。民間会社に勤める傍ら、二足のわらじで制作を続ける古谷振一さん(57)。市内で開催中の個展には2020年3月に亡くなったコメディアン、志村けんさんの兄、知之さんが東京から足を運んだ。発端は古谷さんの手で生き生きとよみがえった志村さんの絵。写真を超えた質感のリアルなまなざし、柔和な笑顔を前に、二人は定番ギャグ「アイーン」のポーズで故人をしのんだ。

 古谷さんの作品は、ほとんどがA4判のケント紙に、芯の硬さが異なる数種類の鉛筆を使い分けて描かれる。制作の所要時間は10〜45時間ほど。中には3カ月も費やした労作もあるという。特に目の輝きを表現することにこだわり、消しゴムで簡単に消せる「はかなさ」も気に入っている。

 モチーフは女性の有名人が多いが、特にファンというわけでもなく、その時々の「旬の人」を選んでいる。志村さんを描いたのも同じ理由だった。ザ・ドリフターズ全盛期を知る世代。訃報を聞いて数カ月後に描き上げた。

 すると、動画を見た志村さんのファンから「お兄さんに差し上げてほしい」とアドバイスされた。古谷さんはその年の秋、志村さんの事務所を通じて知之さんに届けた。

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https://mainichi.jp/articles/20210511/k00/00m/040/153000c
2021年5月11日 16時52分