https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4268629.html
仏・独 ワクチン接種率 急上昇の背景 根強い不信感にも変化

新型コロナワクチンの接種の遅れが指摘される日本。一方、ヨーロッパには当初、遅れがちだったものの一気に接種率が上がった国があります。何があったのでしょうか。

 アメリカやイギリスに比べ、ワクチン接種が遅れがちだったフランスやドイツ。このところ接種率は急上昇し、少なくとも1回接種した人の数は、ドイツが34.1%、フランスは27.4%に上っています。フランスでは、12日から18歳以上は誰でも空きがあれば、前日にワクチンを予約することができます。

 「あなたの近くにワクチンがあり、翌日に空きがあるなら年齢制限なしで予約することができます」(フランス マクロン大統領)

 なぜ急速に接種が進んだのか・・・。そこに奇策はありませんでした。「供給量、場所、人手」を大胆に増やしたのです。

 まず、ワクチンの量。フランスでの供給量は4月から一気に増え、5月は1月の7倍以上のおよそ1600万回分に。6月はさらに倍の3220万回分となる見込みです。EU=ヨーロッパ連合がメーカー側と交渉して、加盟国分を確保した結果だということです。

 そして、場所については世界的に有名なサッカー場など大規模接種会場を全土に用意し、ワクチンを打つ人手は医学生や消防士などに範囲を広げて増やしました。さらにフランスで顕著だったのが・・・

 「ワクチン全般に対する不信感を持っています。このワクチンは急いで作ったのでなおさらです」(パリ市民 今年1月)
 「政府は是が非でもワクチンを無理強いしようとしていて怪しいです」(パリ市民 今年1月)

 過去の薬害やマクロン政権の当初の対応のまずさもあり、ワクチンへの不信感が根強かったのですが、4月の調査ではワクチンを接種したいと答えた人は70%。半分以下だった去年12月から大幅にアップしました。イギリスでの感染状況の改善や接種が進むことを条件に規制の緩和が議論されたことなどから、希望者が増えているとみられます。

 「ワクチンの効果も目に見えるようになって不信感が弱まりました」(パリ市民)
 「夏に旅行したい人は、打たないと行けないかもしれませんよね」(パリ市民)

 ドイツでもアストラゼネカ製については、18歳以上なら希望者は接種可能となり、夏のバカンスシーズンを楽しみたい人たちが進んで接種しています。

 「7月には成人の70%がワクチンを打てるようになると確信しています」(EU フォンデアライエン委員長)

 EUは製薬大手ファイザーから最大18億回分の新型コロナワクチンを追加購入することになり、ヨーロッパの接種スピードはさらに加速することになります。

14日 15時58分
TBS