「彼が次の塾長になると聞いて驚きました。まだ55歳の若さですから。高校時代の彼はガリ勉ではなく、スポーツに打ち込むタイプ。面倒見も良くて、クラスメートが学校を休むと『前の授業でここまで進んだよ』と教えていました」(慶應義塾高校の同級生)

5月28日から慶應義塾の塾長に就任する伊藤公平氏。その生まれは、まさに「華麗なる一族」だ。実家は伊藤忠商事と丸紅の創業家。伊藤氏は、初代・伊藤忠兵衛から数えて5代目にあたる。

幼稚舎(小学校)から慶應に通い、学生時代にはテニス部に所属。180cm近い身長で見た目も涼やか、学生時代は多くの女子から熱い視線を浴びていたという。

「公平さんの家はエール大学出身の父・公一さんの教育方針もあって海外志向が強い。公平さんも普通部(中学校)に通っていた頃から、長期休みにはいつも海外のサマーキャンプに行っていました」(伊藤氏の知人)

伊藤氏は英語もネイティブ並みで、カリフォルニア大学バークレー校で材料科学の博士号を取得し、慶大理工学部の教授となった。

高校1年時にも1年間、アメリカ留学を経験している。その際には「お坊ちゃん」らしからぬ、気骨ある一面を物語るエピソードが残されている。

「慶應の場合、幼稚舎に入学すれば大学までストレートに進むのが常識。普通部から塾高に上がる段階で留学すること自体が異例だったので、教師からは『前例がないから認められない。留学するなら学校を辞めるべきだ』と言われたそうです。

ところが、それに対して『福澤諭吉は江戸末期、咸臨丸で海外へ飛び出した。慶應は彼が作った学校なのに留学を認めないのはおかしい』と主張し、留学を認めさせたという逸話があります」(同)

次代の慶應を担うサラブレッド。このコロナ禍の難局で、どんな采配を振るうのか。
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