中日新聞2021年5月17日 05時00分
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【ニューヨーク=杉藤貴浩】新型コロナウイルスワクチンの接種が始まり五カ月が過ぎた米国では、接種率の上昇とともに新規感染者が減少し、各地で社会活動の再開が加速している。接種がこれから本格化する日本に必要な施策は何か。ワクチン会場や人手の確保、高齢者の接種支援などさまざまな課題に挑んできた東部ニューヨークの取り組みを追った。

ニューヨーク市中心部のグランドセントラル駅構内で十二日朝、二十人あまりの行列ができていた。この日からニューヨーク州が主要駅で始めたワクチン接種に並ぶ人々で、費用はもちろん、予約や身分証明書も不要。本人の同意と問診だけで誰でも受けられ、三十三ドル(約三千六百円)分の地下鉄乗車券までもらえる。

「よく使う駅で受けられるのは便利。足が悪い私には特にありがたい」。列にいたヘレン・アルメイダさん(37)は満足げに話した。

十八歳以上の60%近くが一回以上の接種を完了し、特典を付けて未接種者の背中を押すほどワクチンが十分に供給されているニューヨーク市。しかし昨年十二月の開始当初は、会場や人員の不足による待ち時間の長さに頭を痛めた。

米ニューヨーク市のグランドセントラル駅で12日、新型コロナウイルスワクチン接種を待つ人々=杉藤貴浩撮影
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