新型コロナウイルスの緊急事態宣言が延長・拡大されて、「こんな時に東京五輪か!?」という不安・不満が国内を覆っています。その是非を、現役アスリートに問うようになっています。そんなこと、答えようがないにも関わらず。

こうしたなか、私が感じるのは、築地市場の豊洲移転や、福島第1原発の処理水を報じるときにも生じた「安全と安心の問題」です。つまり、安全は科学的に証明が可能ですが、安心は内心の問題だけに、強制は不可能ということです。

 東京五輪・パラリンピックに関して、漠然と「海外から人がたくさんやってくる! 新型コロナもたくさんやってくる! 怖い!」というイメージが拡散しています。

 では、実際、まったく無策なのでしょうか?

 まず、海外からの観戦客は3月20日の時点で「受け入れ見送り」を決定し、不特定多数の来日はなくなりました。これだけでも、リスクはかなり減ったといえるでしょう。とはいえ、選手・関係者、メディアだけでも膨大な人数です。

 まず、メディアの数は減らせるでしょう。プレスパスの発行作業はこれからなので、国内メディアが代表取材し、オフィシャル映像や写真を豊富に用意する代わりに、メディア関係者は大幅な絞り込みを行うべきです。

 次は、選手・関係者です。4月末に組織委員会が出したプレイブック(第2版)によると、日本への出国前、96時間以内に2回の検査を行うことや、入国後、選手のほか、コーチなど選手とともに行動する関係者は、原則として毎日、選手村などの専用のエリアで実施される検査を受けることなどが明記されています。

 公共交通機関を使う移動は原則不可で、専用バスなどを使用します。こうした一般市民の接触を極力避ける形での運用を「バブル」と言います。基本は選手村にカンヅメで、競技場との往復のみという厳戒態勢です。そして、違反者はIDカード取り消し、すなわち参加資格の剥奪です。日本人に対してもできないような、罰則付きの「私権の制限」を行います。

ここまで対策をしても、「それでも不安だ、止めるべきだ」という意見があるのは致し方ありません。問題は、ここまで対策を準備していることが報じられ、国民に理解されているかです。漠たる不安をそのままにして、国内メディアが煽っていないでしょうか?

 国内では、ゴールデンウイーク前後から各競技のプレ大会が行われ始めました。海外からの参加選手は、五輪・パラリンピックに準ずる「バブル」形式での参加です。各団体は情報公開に力を入れていました。

 あるパラスポーツ関係者は「『頑張ってきたから開催させてほしい』ではなく、『どうしたら科学的に安全に大会運営ができるのか』をまず見てほしい。そのうえで議論してほしい」と話していました。

2021.5.19 夕刊フシ
https://www.zakzak.co.jp/smp/soc/news/210519/dom2105190002-s1.html

1 Egg ★ 2021/05/24(月) 21:58:32.31
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1621861112/