2021年5月19日、高田馬場駅前広場が突如、閉鎖された。

名目は新型コロナウイルス感染症の対策である。

【画像】愛煙家の女性2人組、喫煙所も閉鎖され閉口

広場をフェンスで囲う工事が朝から行われ、各社がその様子を報じた。普段は地元の住民や早稲田大学の生徒らで賑わう広場も今では一歩たりとも立ち入ることはできない。

東京都が10代から30代を対象に行ったアンケートでは、2021年に入ってから「路上飲み・公園飲み」をしたことがある人は10.5%で、1割を超えている。

しかし、高田馬場駅前広場は、もちろん路上飲みだけで利用されていたわけではない。「バカみたいだよ」という街の人の声もあった。

学生の溜まり場
早稲田大学に通う学生は「先輩とかは、ここで飲んでいるらしい」と、広場の普段の様子を教えてくれた。

広場を封鎖したところで「別の場所に行くだけ」と意にも介していない様子だった。

路上飲みを行う学生らに対して苦言を呈した男性も。「学生はタチが悪い。彼らも悪い」とする一方で、「だけど(広場は)閉めない方がいい」と行政はやり過ぎであるとコメント。

広場には、喫煙所も併設されている。もちろん喫煙所にも、現在は立ち入ることができない。

閉鎖を知らなかったという2組の女性は、広場の喫煙所を利用するつもりだったという。

駅前で唯一の喫煙スポットが閉鎖され、喫煙者たちは果たして喫煙を諦めるだろうか。

新型コロナウイルス感染症の予防対策の一環として、路上飲みの取り締まりだけでなく喫煙所の閉鎖も各所で行われている。

閉鎖された喫煙所の周り、もしくは道端でタバコを吸う人々の姿を見たことはないだろうか。

喫煙所がなくなれば、喫煙者は外にあふれる。アルコールにも、同じことが言える。飲食できるお店がなくなれば、広場にあふれる。広場が閉鎖されれば、路上にあふれる。

度重なる緊急事態宣言に、増え続ける規制の数々。減らない感染者数。

未曾有のコロナ禍の対応しているのは、政府も国民も同じだとも言える。

しかし、奇妙なことに、東京オリンピック・パラリンピックだけは、開催を強行する予定で進んでいることが国民の不満に拍車をかけている。

鬱屈を抱えた市民の感情が、路上に垂れ流されている。

5/25(火) 21:25
配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ee48d1a828a8e063cfbbd36bc4e4a3788f2cf61