長引くコロナ禍は子育て家庭や貧困の若者の生活を益々追い詰めている。支援活動の現状と政府に求められている支援策を取材した。

食料や現金を求める相談が急増
生きづらさを抱えた全国の10代に大阪を拠点として支援活動を行っているNPO法人D×P(以下ディーピー)。ディーピーではこれまで通信制や定時制高校に在籍する高校生を中心に学校現場でリアルとオンラインで「つながりの場」を提供してきた。

LINEを使ったオンライン相談「ユキサキチャット」は当初、不登校や高校中退の10代の就職や進学相談がメインだった。

しかしコロナの感染拡大後は「困窮した若者からの相談が急増している」と理事長の今井紀明さんは語る。

「去年の3月末は登録者数が690人でしたが、今月で4千500人を超えています。相談の内容もこれまでは進学や就職がメインでしたが、食料の支援や現金を給付してほしいという相談が3割強まで増えています。支援を求めてくるのはコロナで仕事を失っているケースがほとんどです」

1人暮らしの若者がさらに困窮
主に支援を求めてくるのは1人暮らしの若者たちだ。今井さんはいう。

「彼らは親とほぼ絶縁状態で親からの支援がなく、中には親から暴力を受けて関わりたくないとか、親が生活保護を受けている場合もあります。また親がそもそもいない児童養護施設を退所した若者もいます。1人暮らしで親に頼れない中卒や高卒の若者が、所持金がほとんどなく、家賃を滞納していたり、携帯が止まってしまったりしています。また、奨学金を借りているという大学生が『アルバイトが見つからず、親には頼れないし友達にも言えないので、食費を減らすため1日1食で暮らしています』と言ってくることもあります」

ディーピーでは昨年度、若者に対する食糧支援を5千食(157人分)、現金給付も69人に対して342万円行った。しかし今年度に入ってさらに支援が増えているという。

「4月の緊急事態宣言後から1週間で80人くらいオンラインの相談があります。内容はほぼ困窮です。昨年度からこうした支援を始めたのですが、今年度はこの1ヶ月半だけで支援した食糧はすでに昨年度の半分にあたる2千500食を超えています。現金給付も既に200万円くらいになっています」

https://news.yahoo.co.jp/articles/c0e2d1006424bdd07ae19271dd8ae4c5ccd7ab41
5/27(木) 11:42配信