https://news.yahoo.co.jp/articles/ff452b021a291a1070a5aa1cf23bd0f1d5035cb6

月末の金曜日に早めの退勤を促し、飲食や旅行などの消費につなげようと、国と経済界が提唱した消費喚起キャンペーン
「プレミアムフライデー」が2017年2月に始まってから、4年がたちました。開始当初は、賛同した官公庁や企業で
月末の金曜日、午後3時に業務を終了するケースが見られたほか、飲食店がプレミアムフライデーにちなんだ
割引キャンペーンを実施するなど大きな話題となりました。

しかし、思うような成果が得られず、取り組みを終了した企業もあるほか、新型コロナウイルスの感染拡大による
外出自粛の影響で、いつしか、プレミアムフライデーという言葉も聞かれなくなっています。
プレミアムフライデーは現在、どうなっているのでしょうか。また、今後も継続するのでしょうか。
2017年にプレミアムフライデーを導入した企業と関連団体にそれぞれ聞きました。

働き方改革の一環で
 
まずは、2017年にプレミアムフライデーを導入したソフトバンク(東京都港区)の広報担当者に聞きました。

Q.そもそも、プレミアムフライデーを導入するにあたり、どのような取り組みを始めたのでしょうか。

担当者「当社では以前から、ITを駆使して、全社員がスマートに楽しく働くこと、『Smart&Fun!』をスローガンに掲げ、
働き方改革の推進に向けた取り組みを行ってきました。プレミアムフライデーをこうした働き方改革の一環として捉え、
毎月、最終金曜日の午後3時を退社奨励時間とする取り組みを、2017年2月24日の金曜日から始めました。
個々の業務状況に合わせるため、最終金曜日以外への振り替えも可能という条件でした」

Q.コロナ禍の現在でも「毎月、最終金曜日の午後3時退社」を奨励しているのでしょうか。

担当者「現在もこの取り組みを継続しています。新型コロナウイルスの影響下においても、
メリハリのある働き方の推進に役立っていると考えています。なお、当社では、『毎月、最終金曜日の午後3時退社』
のほかにも、コアタイム(出勤義務のある時間帯)を撤廃したスーパーフレックス制度の導入や在宅勤務制度の導入、
サテライトオフィスの活用、副業の許可なども実施しています。

これらの取り組みによって、社員が効率よく働けるようになり、個々のスキルを向上させるための時間や、
よりクリエーティブで革新的な仕事を目指すための時間が生まれます。これにより、先述の『Smart&Fun!』の
実現に近づくのではないかと考えています」

Q.プレミアムフライデーの導入などによる会社の働き方改革について、社員はどう感じているのでしょうか。

担当者「プレミアムフライデーの導入に限定したものではありませんが、当社が以前実施した社員アンケートでは、
回答者の約7割が働き方改革の本格的な実施前と比較して、『業務生産性』『自己成長のための活動度』
『イノベーティブ・クリエーティブな取り組み』『Smart&Fun!体現度』がそれぞれ向上したと回答しています」

コロナ禍で継続は?
 
プレミアムフライデーの導入により、社員の働き方改革に成功した企業がある一方で、プレミアムフライデーの日に
客を呼び込もうとした飲食店の中には、不調に終わった店もあります。

ファミリーレストランを展開する企業の広報担当者は「当社は当初、プレミアムフライデーの取り組みに賛同していました。
そこで、プレミアムフライデーの日に、お客さまが家族や友人、同僚と店内で充実した時間を過ごしていただけるよう、
毎月、最終金曜日限定の特別メニューの販売を2017年2月24日から始めました。ところが、特別メニューの認知度が低く、
お客さまから大きな支持を得られなかったため、2018年の6月29日の金曜日をもって販売を終了しました。
その後、当社では、プレミアムフライデーに関する取り組みは一切行っていません」と話しています。

プレミアムフライデーは今後も続くのでしょうか。コロナ禍でプレミアムフライデーを継続するための取り組みについて、
経済産業省と経済団体が設立した「プレミアムフライデー推進協議会」の事務局に問い合わせたところ、
次のような回答がありました。

「プレミアムフライデーは今後も継続する予定です。ただし、現在は新型コロナウイルス対策が最優先なので、
今後、どのような取り組みを行うかは現時点でははっきりとはいえません。コロナ禍で国民の働き方や消費習慣などが
変わりつつあるので、世間の状況を見て、具体的な取り組みを検討していきたいと思います」