https://news.yahoo.co.jp/articles/618f6330c9b09d057952f4146e4c360bada19416
 パンデミックに襲われ、人道支援を受けている中央アジアの国キルギス。
貧しいこの国にとって、悲劇的な出来事が起こった。

キルギスの首都ビシュケクの診療所で、約1000回分の新型コロナウイルスワクチンが破棄された。
5月中旬、現地当局が明らかにし、「パリ・マッチ」紙をはじめ複数のフランスメディアが報じている。

事件が起こったのは4月。ロシアからの人道支援として寄付された2万回分のワクチンの一部、約1000回分を廃棄せざるを得なくなった。
原因は、携帯電話を充電しようとした人により、ワクチンを保管していた冷蔵庫のコンセントが抜かれたことだという。

同国保健大臣のベイシェナリエフは、コンセントを抜いた犯人に関して、診療所に勤める清掃員の可能性が高いとし、
「清掃員であれ誰であれ、従業員の失態ならば、診療所が金銭的な責任を負うべきだ」と記者団に語った。
ベイシェナリエフは4月、現地のテレビ番組に出演し、人体には有害なトリカブトの根を使った混合物を
「新型コロナウイルス感染症の奇跡的な治療薬」になりうると宣伝し、大きな批判を浴びたと、UAE紙「カレージ・タイムズ」は伝える。

仏ラジオ局「RTL」によると、人口約650万人のキルギスでは3月からワクチンの接種キャンペーンが始まり、すでに5万人が少なくとも1度目の接種を終えた。
ロシア製スプートニクVと中国のシノファーム製ワクチンが使用されているが、今回破棄されたスプートニクVの方が人気だという。

パンデミックが始まって以来、キルギスは10万人を超す感染者と1735人の死者を記録している。
しかし当局は、犠牲者の全容を把握できていないことを認めている。